ここでは、3GPPの規格策定の大まかな流れを説明します。
Contents
規格策定プロセス
3GPPの規格策定プロセスは下図のようなプロセスが常に回って策定されていきます。
それぞれのタスクでの概要は以下です。
1. Work plan
今後どのようなアイテム(Work Item)をどのようなスケジュールで規格策定していくかのプラン。詳細はwork planをご覧ください。
2. Work item
Work Planで決定したアイテムについて、このアイテムが必要となった背景や、実現するために何が必要で、何を決めるかなどの方針を示す。詳細はwork itemをご覧ください。
3. 各Work Groupでの規格策定
- meeting
- Work Itemごとに、規格策定に向けてmeetingを行います。通常は3か月サイクルでmeetingが行われますがWork Planで示したスケジュールに間に合わない場合などは、アドホックミーティングとして追加のミーティングを行う場合もあります。ミーディングではtdocと呼ばれるドキュメントを事前に用意しそれをベースに議論を行います。ミーティング期間中に議論されるドキュメントはMeetings_3GPP_SYNCに暫定的に置かれます。(ミーティング期間後は、各Working Groupごとのミーティング番号ごとに管理されるディレクトリへ移動されます)
- 規格策定
- 事前に準備されたtdocを元に規格策定を行ていきます。ミーティングメンバ内で合意された内容はCR(Change request)へ反映されます。(稀に規格書へ反映されずにtdocのみに詳細が書かれている場合があります。このようなことがある為、規格書だけでは読み取りにくい内容があった場合はtdocを参照すると詳細な内容が記載されている場合があります。少なくとも、どういう経緯で規格化されたかの流れがわかる場合があるのでそれを元に推測することなどが可能となります。)
- CR(Change Request)作成
- ミーティングで合意を得た内容を、規格書へ反映するためのドキュメントを作成します。このドキュメントがTechnical specification groupで承認されることにより規格書へ反映されます。
- Report作成(一部のWorking Groupのみ)
- 各Working Groupごとの各meetingごとにWork Itemに対しての進捗状況がまとめられたドキュメントが作成されます。このドキュメントは、必ず作成されるわけではなくTechnical specification groupごとで異なるようです。
4. CR(Change Request)承認
Technical specification group単位でそこに属する各Working Groupから提出された、CRの承認作業を行います。ここで承認されると規格書へ反映されます。
5. 規格書へ反映
Technical specification group単位で承認されたCRが規格書へ反映されWebへ公開(Release)されます。基本的にはmeetingが3か月サイクルの為、3か月サイクルで規格書が更新されていきます。公開された規格書を探すには規格書の探し方を参照してみてください。
参考:TS 23.401の場合
※ここで出てくるGroupなどの組織構成がわからない場合は、規格化組織構成をご覧ください。
次はWork Planに関して記載します。