Gold系列

今回は、ちょっとしたことからGold系列(Sequence)なるものに触れることがあった為メモ書きとして。

まずは、Gold系列(gold sequence)の説明に必要となる、「M系列」と、「プリファードペア」から説明したいと思う。

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-M系列(M sequence)

0,1の2値から構成され、2^n-1の周期となる。
nは、M系列を構成するシフトレジスタのレジスタ数(n bit)を意味する。 また、M系列は上記に加え幾つかのタップ(次の入力bitへ影響を与える(feed back)bit)を用いて構成される。

特徴としては、
•0,1の発生確率がほぼ等しく、
•自己相関はのピークは1周期に1回(timing shift 0の時)となり、それ以外は一つの低い値の2値で構成される。
  ->乱数として規則性や、繰り返しがないことを意味する。 また、次の入力に影響を与えるbitが存在することから初期値の設定が必要不可欠となる。
これを使用して、擬似的に乱数を得る為に擬似乱数系列と言われる。

-プリファードペア(preferred pair)

M系列同士の相関値は一般的に大きくなる事が知られているが、相関値が低くなる(1周期に1回のピークと、3つの低い値の4値で構成)M系列のペアが存在する。 そのペアをプリファードペアという。

-Gold系列

2つのプリファードペアなM系列の出力の排他的論理和(XOR)で得られる系列。 系列数は、M系列Aの出力一つ(シフト1つ)に対して、一つの系列が生成される為、M系列Aのシフト回数Nの値だけ系列を生成する事ができる。つまり、元々のGold系列を構成する2つのM系列と合わせて、N+2の系列の生成が可能となる。

-M系列と、Gold系列の違い  

•自己相関
 Gold系列: プリファードペアと同じく、1周期に1つのピークと、3つの低い値の4値で構成される。
 M系列:1周期に1つのピークと、1つの低い値の2値で構成される。
 •系列数
 Gold系列 > M系列

この系列を使用して日頃お世話になっている通信(LTE等でも)の暗号化や、pilot信号(LTEではReference Signal) の生成等で活躍しているそうな。